日々のたわごと

アラフォー主婦の自分探しのためのつぶやきです

「お母さんの宝物って何?」

今週のお題「おかあさん」

 

記念すべき初投稿です。

やっぱり初めての記事は自己紹介かな~と思っていましたが、

今週のお題」を見て、「おかあさん」について書いてみよう、と思ったので、自己紹介はまた改めてさせていただくことにします。

 

私の母は昭和20年代生まれ、田舎生まれの田舎育ち。

中学を出てから和裁と洋裁の専門学校を出て、隣の県の少し都会で洋裁をしていました。師範の資格も持っているようですが、服や浴衣などを作ってもらったことはないと思います。

父と結婚するために仕事を辞めて地元に帰ってきた母ですが、若いころに住んだ都会の話は小さいころからよく聞かされていました。

 

母のことで思い出すのは、私が小学1年生だった時の話です。

担任の先生が、「家に帰ったらお母さんに、お母さんの宝物って何、って聞いてごらん。必ずあなただよ、って答えてくれるはずよ。みんなはお母さんの宝物なんだよ。」と教室でみんなに話されました。

私は、その話を聞いてとてもドキドキしました。

その頃は母は近所の組み立て工場で正社員として働いており、私は学校から帰ったら祖父母と過ごしていました。母が帰ってくる原付の音が聞こえると急いで庭まで出迎えに行ったものです。そして、母の制服のポケットに入っている同僚と交換し合っている飴玉をもらって口へ入れるのが楽しみの一つでした。

母は帰ってきたら夕飯の準備、そして夕飯後は片付けでなかなかゆっくり過ごす時間がなく、私は先生から聞いた質問をいつ母にしようかとタイミングをうかがっていました。

遠い昔のことなので、その日のうちに聞けたのか、それとも何日か後に聞けたのかは忘れてしまったのですが、トイレについてきてもらった時に、あの質問をしました。

私は母に「好き」とか恥ずかしくて伝えられないような子供でした。

母から「かわいい」とか「好き」などという言葉をもらったこともない子供でした。

だから、とても勇気を出して母に質問をしました。

 

「お母さんの宝物って何?」

 

母は少し考えていましたが、なかなか答えが出てこないようだったので、とうとう私から

「先生が、お母さんに宝物は何かって聞いたら必ずあなただよって言ってくれるって言ってた。」

と言いました。

それを聞いた母は、「フッ」っと鼻で笑ったように思いました。

結局、母の口から、「あなたがお母さんの宝物だよ。」とは聞くことができなかったのです。

私は、期待している答えを自分から先に言ってしまったことをとても後悔しました。

 

自分の言ったことを後悔したのは小学1年生にして二度目でした。

一度目はその前の年、年長児だった時に父か母に聞いた、

「保育園の先生が、サンタさんはお父さんやお母さんだよって言ってたけど、本当?」

という質問です。

それに対する父や母の答えは忘れましたが、その年から私と妹のところにはサンタさんは来てくれなくなりました。

 

7歳って、大人が思っているよりも大人なんですよ。

 

母から宝物だと言ってもらえなかった私はとても悲しかったのを今でも思い出します。

中学生や高校生の時、自分の母は不器用な人なんだなあ、と思っていました。

でも、私自身が母になって思うのは、私も長女には素直に「好き」とか「かわいい」とは伝えられていないなあ、ということです。

次女には「かわいい」や「大好き」と言えます。

親子といえども性格の合う合わないはあるし、それだけでもないけれど、私は長女に悲しい思いはさせたくない、と思っています。

 

あと2,3年もすれば長女は思春期に入ってくるでしょう。

母のことなんてうっとおしいとしか思えなくなってくるでしょう。

そんな時でも、心の底ではちゃんと、お母さんは私の味方でいてくれる、って、信じていてもらいたい。

そのためにも、毎日毎日の「大好きだよ」「大切だよ」を積み重ねていきたいです。

親子だけではなく、夫婦もだけど、そういう普段なかなか口にできないことも、

ちゃんと言葉にして伝えないとわからないですよね。

 

母の日に「ありがとう」と伝えるのも恥ずかしくてできなかったけど、母の日だからこそ、その勢いに乗らせてもらってわたしも母に感謝を伝えました。

 

結婚記念日には夫に感謝を伝える。

子供たちの誕生日には子供に感謝を伝える。

1年にもしかしたら1回しかないそのチャンスを逃さずに、言葉でちゃんと伝えたい。

 

30年前の、あの質問をした夜のこと。

なんとなーくしか思い出してこなかったけど、文章にしてみようと思うと結構細部まで思い出せるもんだなあ、と思ったり。

そうそう。

母は「別にないよ」とか、そんな風に答えたように思っていたけど、それも違ったんだ。

私が答えを言ってしまったから、母は何も言わなかったんだ。

今思い出して泣けてくる。

七歳の私。

お友達はお母さんからなんて答えをもらったんだろう。

そんな質問のことなんて覚えてさえいないかもしれない。

でも、今度小学校の同級生に会ったら、ちょっと聞いてみようかな。